ss付きで振り返る FF14 漆黒のヴィランズpart29

引き続きパッチ5.3を振り返っていきます。

まだまだ序盤、帰還へ向けて原初世界へ戻ってからのお話です。 

 

 

  

消えゆく鼓動

賢人の肉体の確認のため原初世界、石の家を訪れる。するとタタルは何やら慌てた様子で迎えてくれた。

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クルルには「不安を煽りたくないから」と口止めされていたようだが、眠っている賢人たちの体調が急激に悪くなっているという。クルルはいま、その治療にあたっているようだ。

帰還するにあたって懸念が無いかというこちらの用件に、「クルルと直接話した方がいい」と身体が安置されている「未明の間」への入出を許可された。

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「……来てしまったのね。

 できるだけ、あなたには見せたくなかったのだけれど」

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クルルは帰還方法を模索している私たちに、余計な心配を掛けないようにと気を使ってくれていたようだ。彼女は沈痛な面持ちで言葉を続けた。

 

「……冷たくて、固い。

  まるで剥製か人形のようでしょう。

 かろうじて生きてはいるのよ。

 でも……本当にかろうじて」

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エーテルに揺らぎが起こることはあったが、つい最近までは眠っている様に健やかだったという。マトーヤにも連絡をしたが原因は掴めなかった。マトーヤは「魂と生命にまつわる事象は、いまだひとの手に余る、予期せぬ事態はいくらでも起こる」と言葉にしたという。

強がりか、私に気を使ってか、「こんなときこそ笑顔でいきましょ」と微笑むクルル。生命力が落ちているものの、治療していたサンクレッドの容体も、他の賢人たちの容体も今は安定しているという。しばらく未明の間を離れても問題が無いということで、話を聞いて貰うことになった。

 

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クルルによれば、賢人たちの不調は肉体と魂の結びつきが薄れてきたことによるもので間違いないという。今のところ彼女のおかげで結びつきを補強できている。懸念があるとすれば、そのタイムリミットだけ。

ソウル・サイフォンの完成に向けてはアラグの技術ということで、心当たりの人物を尋ねてみてくれるようだ。

 

此方と彼方

クルルを待つ間付き合って欲しいというタタル。賢人たちに渡したいものがあるということでロウェナ記念館へと向かった。

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クルルの様にエーテルを操ることができないタタルは、金庫番として「暁」を守ろうと内職やイシュガルド復興を手伝っていたらしい。そして、職人としての腕前だけはメキメキと上達したようだ。

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今回彼女が用意したのはシャーレアンで食べられている「賢人パン」。眠っているシャーレアンの賢人にとっては故郷の味ということになる。

タイミングよく戻ってきたクルルの隣には懐かしい顔。クリスタルタワー関連で世話になったラムブルースだった。

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古代アラグ文明の研究で聖コイナク財団の右に出るものは無く、これまでも何度か力を借りていたらしい。そんな聖コイナク財団でもアラグの記憶継承術、なかでも皇族が用いた秘術に関する情報は得られていないという。

だが、ラムブルースは友人として、「ノア」の仲間としてグ・ラハ・ティアに声を掛けるために足を運んだようだ。

 

彼が眠りにつくとき、ラムブルースたちはいつか目覚めさせることを誓い、彼は塔が人々の希望になることを願った。

 

「私たちは、あなたの時間で100年ほど前の「未来」に、

 その約束を果たした……。

 そしてあなたもまた……

 ふたつもの世界で、塔を希望の証にした」

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それを以て、約束は違うことなく完遂された。だからこそ、塔の調査のときには掛けられなかった言葉を言うことができるとラムブルース話した。

 

「「どうぞ、お好きになさい」と、ね。

 もはやどんな役目も、あなたを引き留めたりはしないのだから」

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ラムブルースの言葉と共に、タタルの作った「賢人パン」を土産に第一世界へと戻ることにした。

 

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第一世界へ戻ると、さっそく星見の間へ赴き伝言を伝えるが、水晶公は「土産に持たせるような話じゃないだろ」と呆れた様子だ。だが、その言葉はしっかりと受け止め、その上で問題に取り組んでいるのは「それこそ私の意志だ」という。

もし叶うのであれば「信じて背中を押してくれ」と言葉にし、話を終えた。

 

少しすると「黒い衣の不審者」の調査から戻った賢人たちが合流する。

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軽く回れる範囲で見回った結果、出没しているのはアシエンだったようだ。だが、赤い仮面ではなく、その手先、黒い仮面のアシエンたちらしい。

今のところ大事に発展するようなこともなく、「光の戦士」を目指して旅立っていった者たちがその解決にあたっている例もあるようだが……エリディブスの策略の内、という可能性が高いことから、秘密裏に炙り出し対処した方がいいとサンクレッドは進言する。

 

「それで、君の方は……

 私たちの身体は、どうだったんだい?」

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アルフィノの問いに少し考え……答える。

 

「……大丈夫、でも急いだほうがいい」

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その言葉に胸を撫で下ろす賢人たち……

「ひとまずは安心だが、後回しにはしすぎないようにする」というアルフィノ。気になるのはソウル・サイフォンの状況だ。

 

進展している、と言いながらベーク=ラグは実物を運んでくる。それを見たウリエンジェは驚愕の表情を浮かべる。

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「赤い結晶が加えられている……では、あの方法を……!?」

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白聖石をもとに製作したソウル・サイフォン。魂を運ぶことはできるし、アリゼーの使い魔によって、魂を不活性化すれば成功率も上がるだろうとベーク=ラグはいう。

だが、今のままでは記憶が伴わない。そこで水晶公の知る「記憶継承術」を魔具に込めることにした。

問題はその術が血を媒介とするものだったこと。血を持たない魔具にはそのまま使うことはできないため、術の改変を試みていたがうまくいかなかった。

 

「そこで、だ。

 魔具と術の親和性を高めるため、魔具そのものに、

 結晶化させた私の血を用いてみたのだ」

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サラリと口にしたその言葉に一同は顔を強張らせる。

 

「みたのだ、って……。

 やってもらってる身で文句は言えないけど、あなた……。

 その左腕の変化にだって、

 みんな気づいていないわけじゃないんだからね」

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その言葉に「命を差し出すよりは、いくらも安い。無論、あなた方の未来を奪ってしまうよりもいい」

水晶公はそう笑ってみせた。

 

これから改めて記憶継承術の試験をするというベーク=ラグ。邪魔をしないよう部屋を出て行こうとするがアリゼーはソウル・サイフォンを見つめ、水晶公に問いかけた。

 

「……ねぇ、それ、6つあるわよね?

 私たちが使うにしては、ひとつ多い……」

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そのひとつは術が込められたかどうか確かめるために水晶公が使用しているモノだった。それを聞いたアリゼーは水晶公も原初世界に帰れると考えたようだ。

「持っていくだけなら」と水晶公はそれを否定する。

空の器に中身を戻すのとは違い、原初世界と第一世界の水晶公を統合するのは満たされた器に、さらに水を注ぐようなもの。その結果、どうなるのか予想がつかないという。

 

「それでいいの?」アリゼーの言葉に、「ああ……今は」と水晶公は答える。

 

「……そう」

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哀しそうに呟くアリゼーに続いて、星見の間を後にした。

 

エクセドラ大広場へ出るとウリエンジェは話し始める。

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水晶公は「予想がつかない」と言っていたが、長年にわたり研究を続けてきたベーク=ラグによれば、ある程度の予測がつくらしい。

第八霊災の先を生きた水晶公は、エーテルの統合による影響を受けていることから、懸念が無いわけではない。

だが、同一の存在であるグ・ラハ・ティアと水晶公の魂は重なり、同化することができるという。私とアルバートがそうだったように性質の近い魂同士は、親和性が高く、その成功の確率は高い。

 

ただし、それにも条件がある。

水晶公自身が、原初世界で眠るグ・ラハ・ティアを「自分である」と自覚すること。水晶公が己とグ・ラハ・ティアをわけて考えていると、魂が身体に入ることはできない。

100年という時間を、世界を、そして私を救うために懸けた。名を捨て、水晶公として生きてきた彼には、単純なようで難解だとウリエンジェは言う。そして「ただ、そのことを知っておいていただきたい」と話を締めくくった。

 

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水晶公がソウル・サイフォンの完成に心血を注いでいる間に、私たちはエリディブスへの対処、差し当たっては黒い仮面のアシエンの排除を行う方針で一致した。

もうひとつ、アニドラスで調査を続けているヤ・シュトラとの合流。彼女にも体に異変が起きているかもしれない。共倒れになることを回避するため、アニドラスには私が向かい、残った皆でアシエンに対処することになった。

タタルから預かった「賢人パン」を渡すと、アニドラスへと向かうことにした。

 

後述

サラッと書けばもっと進み具合は早いのですが、自分のおさらいを兼ねての記事なのでご了承ください。

さて、小難しい話ばかりでしたが、やっと次回から少しずつ盛り上がっていくはずです。パッチ前に書き終わるのやら……

 

今回も最後まで読んでいただきましてありがとうございました。

 

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