クリスタリウムに戻った私は体の不調から、宿に戻って休むことに…そこで不思議な夢を見る…。
君を救う傷み
アム・アレーンから戻った私を待ち構えていたのはリーンとヤ・シュトラの二人。
他のメンバーは既に水晶公のところへ報告に向かったというが、二人は「気になることがある」ということで私を待っていたようだ。
ヤ・シュトラは以前から、そしてリーンは「光の巫女」の力を手に入れたことで私の体に起こっている異常を把握したようだ。
「光を異常に蓄えていること、そして大罪喰いを倒すとその光が一層強くなる」とリーンは教えてくれた。「あなた自身はどうなの?異変を感じたりは?」とヤ・シュトラに問われた瞬間…。
急に眩暈に襲われ、視界が白くぼやけた。
幸い眩暈はすぐに治まるも「無理は禁物」というヤ・シュトラ。
「あなたはこのまま居室に戻って、休みなさい。
…いいこと?約束できて?」
選択肢から「マトーヤお母さん…」と返事を返すと「大変だわ、あなたもう手遅れかもしれない」と若干呆れ気味のヤ・シュトラ…。
いつも通りペンダント居住館の私室へと戻ると、こちらもいつも通り”彼”が待っています。
夜空を見上げ何を想っているのか…。
そんな彼に「今回はついてこなかったのか?」と尋ねる。
「…たまには留守番しててもいいだろ
アム・アレーンはどうだった?」
そう尋ねるアルバートにアム・アレーンでの出来事を話す。
「そうか…ミンフィリアがな…。
つまり、俺があいつに残された理由も、
ついにわからず仕舞いになっちまったってわけか…」
何とも言えない表情のアルバートに私もなんと言葉をかけるか迷っていると…再び、体に異変が…。
「大丈夫か…!?」と駆け寄るアルバートが手を伸ばした瞬間、何かに干渉するようにその指先が光り輝く。
「なんだったんだ…今の…」
「そういえば、ミンフィリアが言っていた」
「覚えていて…。
英雄は、ひとりではないわ。
ふたつの世界のあなたが手を取れば、
運命はまた、切り開かれる」
その言葉をアルバートにも伝える。
「あいつは俺にも、消えるべきではないと…
いつかまた俺が必要になるのだと言っていた。
その理由が…まさか、お前に…?
いいや、俺はもう…英雄なんかじゃないんだ
誰も救うことのできない、何にもなれない、亡霊だ…!」
部屋をノックする音に振り返り、向き直った私の前にはすでに彼の姿はなかった…。
「ああ、ええと、急にすまない…!
ミンフィリア…でなくて、リーンたちから、
あなたの具合がよくないと聞いた。
それで…その…大丈夫だろうか!?」
部屋を訪ねてきたのは私の不調を心配した水晶公だった。
先ほど起こったことを話すと「また異変があったのか…!?それで、今は!?」とかなり食い気味で質問される。心配してくれるのは有難いが…
流石にその勢いにちょっと驚く私。
既に治まっていることを伝えると「よかった」と安堵したようだ。が…「…いや、よくない…何もよくない」と呟く水晶公。私に負担がかかっているのは間違いないし、身勝手なことを言っているのも承知の上で、それでも「どうか、これからも無事でいてほしい」と告げる。
「あなたはこの戦いを終え、あなたを待つ人のもとへ帰る。
そして、第八霊災の起こらない世界で、冒険を続けるんだ」
そのために「あと一体…どうにか勝利を収めてほしい」と話す水晶公。体の異変については彼も対処法を考えてくれるようだ。
「任せろ、必ず勝つ」
そう伝えると「そのとおり、必ず勝つさ。私が召喚した人は、誰よりも強い英雄なのだから」と嬉しそうな表情を浮かべ帰っていった。
この本は…エドモン・ド・フォルタン伯爵の回顧録「蒼天のイシュガルド」?
――やはり ここまでは問題ないようだ
とすると 時間転移の支点とするのは もう少し先
アラミゴ奪還のころが適当だろうか――
「おい、読書はそろそろ終わったか?
ここも、いい加減マズそうだ…。
襲われる前に撤退するぞ」
荒れ果てた部屋に入ってきたの男…「ガーロンド・アイアンワークス」の制服に似ているだけでなく、どことなくビックスに似ているようだが…。
わかった
でも どこへ行く?
ひとまずは市街地を抜け、飛空艇まではなるようになれと投げやりな男。「どこもかしこも地獄の有り様」どっちに進んでも等しくハズレと告げる。
激しい爆発音とともに建物が揺れる。「こりゃ、最後の十二騎士像も持たないないかもしれん…」と男は言葉にする。
――できることは ないのだろうか
「この状況に対してか?」と疑問形で返す男だが、言葉を続けた。
もう誰かが立ち上がればいいという段階ではない。エオルゼアの国々は、どこもあってないようなもの。東州はより酷く、ひんがしの国でさえ、遂に危ういという噂。
「戦いが収まるのは、人がお互いを殺し尽くしたときだろうよ。
命も文明も根こそぎ滅びる…まさしく霊災だ。
だからもう、救いようがないさ…この世界は、な」
――運命を変えなければ
それを以て 伝えたいことがあるのだ
その名を しるべに
必ず 道を見つけて見せる――
「今のは…誰かの過去…?」
目を覚ました私は少し考え…起き上がり、ひとまず星見の間へと向かうことにする。
決戦前
星見の間にはエメトセルクを含む全員が揃っていた。
討伐した4体の大罪喰い…これによってノルヴラントの大半の地域からは過剰な光は掃われている。残すはヴァウスリーの本拠地、ユールモアを有するコルシア島のみ。
「光の巫女」の力を得たリーンが現地に向かえば大罪喰いの位置は特定できるだろう。
最後の大罪喰いを倒せば過剰な光は消え、多くの罪喰いはノルヴラントに留まることが出来なくなる。そうなれば人も動物も、あらゆる命が罪喰いの恐怖から解放され…再び栄えていくことになる。
同時に、第八霊災の要因を排除し私たちの未来を繋ぐための最善手でもある。
「私たちは、何としても最後の戦いを制して、世界を救うわ。
今さら邪魔はしないでしょうね…アシエン・エメトセルク?」
「安心しろ、お前たちが罪喰いを倒したとて、
それは世界の救済なんかじゃない。
今という刹那に生きる儚い命を、
ほんのわずかに、長らえさせるだけの行為だ」
まるでムダだと言わんばかりの口ぶり。
だが決して彼の中での私たちの評価は低くないようだ。「誰かが頑張れば救われるときに、その「誰か」になれる」存在だと語る。
だがそんな私たちでさえ、「この一瞬、目の前のものを救おうとするだけ」と落胆している。
「矮小にして狭窄、限定的で刹那的。
ひ弱で短命な生物では、やはりそこが限界か?」
エメトセルクの言葉にアルフィノが反論する。
「確かに、不滅なる者である君からすれば、
あらゆる命が短命にも思えるだろう。
だが…!」
「違う、特別なのは私の方じゃない!
…昔は誰だって、永遠に近い時を生きていた。
お前たちが、それを捨てたまま歩んできただけだ」
アルフィノの言葉を遮り、声を荒げるエメトセルク。
この後「しまった」という顔を見せるが…”感情的になり過ぎた”といったところでしょうか…。
「ちょうどいい機会だ。
使わせてもらうとしよう」
そう言って星見の間の背景を変化させる。
語られるのはかつて「ひとつだった世界」に起こった災厄。
唐突に始まった星の秩序の崩壊…恐怖と絶望が形を成し、地表を混沌があまねく覆った。
このままでは、すべての命が絶えてしまう…。
そこで人々は、ゾディアークという「星の意志」を創ることで、秩序と平穏を取り戻した。
しかし、強大なゾディアークを残しておくべきではないと語る者が現れ、枷としてハイデリンを創り出した。両者は争い、ハイデリンの一撃によってゾディアークは分かたれて封印された。
「問題はその、ハイデリンの一撃だ
枷として創られたあいつは、力を削ぎ落とすことに関して、破格の能力を持つ。
その渾身の一撃ともなれば、身を咲くなんて単純な話じゃない。
…存在そのものを切り刻むという、離れ業だった」
「例えば」とリーンを指さし、彼女の虚像を創り出す。
ハイデリンの一撃を受けたとすると、2人に分かたれる。
見た目はそっくりだが、ひとつひとつを構成する要素は薄く…力も、知能も、魂も、何もかもが半分になっている。
それと同じことがゾディアークを含め、この星全体に起こったという…そして、その一撃を逃れたのはたったの3人、オリジナルのアシエンたち。
「14に分かたれた世界を見たときは、絶句したよ」
分かたれた生命はどれも弱く、脆く、愚かになり…その不完全な状態で、それぞれ固有の歴史を歩み始めた。彼らからすれば得体の知れない「なりそこない」が蠢いている状態に見えたらしく、「不気味でないわけがない」と語る。
再統合を試みたが、強引に遂げようとした第十三世界は壊れてヴォイドへと…。
その後、原初世界と鏡像世界の繋がり…属性を均一にしようとする力の流れを発見したことで、アシエンたちが暗躍する今の方式が確立されたようだ。
「…なるほどね。
あなたの視点で見れば、アシエンがしようとしていることは、
当然の行動のようにも思えるわ…。
でも実際には、統合のたびに多くの犠牲が出ている。
それを無視して賛同なんて、できなくてよ」
ヤ・シュトラの言葉に対し、視点の違いだと返すエメトセルク。彼からすれば統合されていない不完全な命は「生きている」とは言えないようだ…。
「そんな顔するな。
だからこそ、私はお前に期待してるんだ。
7回は統合された、原初世界の命。
中でも特に優れた英雄なら、少しはマシかもしれない」
軽口を叩いているようにも聞こえるが…
「…私はそろそろ見つけたいんだ。
今ひとときの痛みに耐えてでも、より悲劇の少ない道を選べる、
そんな強さを持つ相手を」
そのために罪喰い討伐くらいやり遂げて見せろと語る。
話がひと段落したタイミングでライナが部屋へと入ってくる。
コルシア島の協力者から連絡があったようだ。
詳細は不明だがユールモア軍が都市内に集結し、防備を固めている様子。
時間がたつほど軍の準備が整ってしまう…急ぎコルシア島へと向かうことになる。
と、ここでまたまたヒントトーク。
まず聞けるのは「オリジナルとアシエンの転生組について」
まずは私たちの勘違いを正すところから…エリディブス、ラハブレア、イゲオルム、ナプリアレス…これらはアシエンの本名ではなく、とある職責を司る「座」の名前。
つまり、別人が継承することもできる。長い活動から当然脱落した者もいるが、その場合は誰かをその「座」に就ければいい。
それが顕著なのが転生組。
彼らの元となった人物はハイデリンの一撃で魂ごと14に分断されてしまった。彼曰く、「務めてポジティブに言えば、14人の候補生が誕生した」。その中からいずれかをオリジナルが引き上げ、使命と力を取り戻させ「座」に就ける。
縁も由来もない者を就任させることもできるが、ゾディアークの召喚者たるアシエンは魂すらゾディアークに浸食されている為、最初から染まっている魂のほうが失敗しないらしい。
続いて「それなら、オリジナルのアシエンを倒せば…」
新しいアシエンを任命できなくなり、我々は消えゆくだけの存在になるだろう…「なりそこない」の命に、それが出来ればの話だが…だそうです。
「ところで、エメトセルクの本名は?」
…ここでそれを聞くか?と呆れられますが、いつかときが来て、お前はそれを知るかもしれないし、知らないまま終わるかも…とはぐらかされてしまいます。
さて、話も聞き終えたところで今度こそコルシア島へ。
状況確認をしてから近づいた方がいいということで、まずは「ライト村」へ向かいます。
遂に最後の大罪喰いとの戦い…気を引き締めていきましょう…。
to be continued...
後述
今回は大罪喰いとの最終決戦前のお話でした。
ミンフィリアの遺した言葉にアルバートは何を想い、今後どういった行動に出るのか…。ここまで話が進んでくればアルバートがどういった存在なのかは容易に想像がつくかと思います。
水晶公に関しては近々身バレしますが…というか、最初から分かっていましたけど。
今回”夢”で垣間見たのは水晶公の過去。
「その名を しるべに 必ず 道を見つけて見せる――」という言葉は印象的ですね。眠りにつく前、最後に口にした言葉が思い出されます。
そして、エメトセルク。
彼については今後まだまだ想いを語る場面が残されているので、その時にでも。今回話してくれた”災厄”はいずれ私たちも体験することになりますね。
次回はコルシア島、最後の大罪喰い討伐です。一体どんな大罪喰いなのでしょう…って、あの人しかいませんが…。
今回も最後まで読んでいただきましてありがとうございました。
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