読解力。
読んでそのままの意味で「読み解く力」のことである。この力が今の子供は低下しているらしいのです。
記事を書くきっかけは本日2月9日に放送された「報道特集」の”AI時代を生き抜く教育”を見たことです。
新井教授と東ロボくんプロジェクト
今回の特集の中心人物は”人工知能(AI)でロボットが東大に入学できるか!?という、「東ロボくん」プロジェクトで知られる、国立情報科学研究所の新井紀子教授。
このプロジェクト、AIの偏差値を57.8まで上げることに成功したが、東大合格には「読解力」に問題があり、ビッグデータと深層学習を利用した統計的学習という現在のAI理論ではこれ以上の成績向上は不可能、何らかのブレイクスルーがない限りは東大合格は不可能と判断され、開発は凍結されています。
私は専門家ではありませんので詳しくありませんがGoogleが発表した最新技術「BERT」ならあるいは?
BERTは文書比較、質問回答、固有表現抽出など、11種類の自然言語処理ベンチマークで従来の記録を塗りかえました。SQuADというベンチマークシナリオでは人間を上回る精度を記録しています。
とはいえ、元々の開発目的が違うので何とも言えませんね。
教科書が読めていない
新井教授らが行っているリーディングスキルテストの結果から、「教科書が読めていない子供がたくさんいる」という事実が判明。
読めていないというよりは”読んではいるがしっかりと読んでいない”といったところでしょうか?
ひとつひとつのキーワードは拾うことが出来るが、「~以外」「~のうち」といった機能語が正確に読めていない。
AIの読み方に近いことから”AI読み”と話していました。
確かに私自身、小説だったり説明書だったりを読む際に、飛ばし読みをしてしまうことがあります。そういった場合、意味を正確に理解できなかったり、文章がつながらなかったりで読みなおすことになります。
リーディングスキルテスト
リーディングスキルテストとはどういったものか?ということで例題をご紹介。
仏教は東南アジア、東アジアに、キリスト教はヨーロッパ、南北アメリカ、オセアニアに、イスラム教は北アフリカ、西アジア、中央アジア東南アジアにおもに広がっている。
この文脈において、以下の文中の空欄にあてはまる最も適当なものを選択肢のうちから1つ選びなさい。
オセアニアに広がっているのは( )である。
近畿地方を中心に、領主や鎌倉幕府に従わず、年貢をうばう武士があらわれた。
この文脈において、以下の文中の空欄にあてはまる最も適当なものを選択肢のうちから1つ選びなさい。
年貢を奪うのは( )である。
例題ということもあって簡単な問題ですが、実際の問題にはもっとひねくれた問題があるんでしょうね。機会があれば受けてみたいですね。
読解力が低いのは子供だけではない
リ-ディングスキルテストを受けているのはもちろん子供だけではありません。
正確な数字は番組では明かされていませんが、新井さんは著書「AI vs 教科書が読めない子どもたち」で新聞社の論説委員や経産省の官僚も間違った答えを選んでいると明かしています。
私自身もキーワードを拾いながら飛ばし読みをすることに慣れてしまっています。これは意識して変えていかないと元々高くない読解力がさらに低下することに…。気をつけなければいけません。
まとめ
TV番組の趣旨としてはこれらを踏まえて今後の教育をどうしていくかという内容だったかと思います。私は自分の読解力についてふわふわと考えながら視聴してしまったので結局最後のまとめはどうなったのか…。
しかし、最近は”~~が低下している”とかネガティブなニュースが増えましたね。実際に低下しているのかもしれませんが、もっと明るいニュースはないものか…。
今回も読んでいただきましてありがとうございました。